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ある年の春頃、インターネットでクライアントから自宅の立て直しの 依頼を受けました。 私の家から車で30分ほどの閑静な住宅地です。 クライアントのお父さんの時代に手に入れた土地は70坪ほどあり、 最近の狭い住宅には望むべくもないそこそこ広い庭がとれています。 最初に訪問してお話を伺った時に案内していただいた庭には、屋根 に届くまで育ったあんずの木やみかん、ゆずなど実のなる木をはじめ 様々な木がその家のおばあちゃんの手によって植えられていました。 新しい家のプランニングをしている際にこれらの木をどうするか聞いた 所、おばあちゃんも家族の方も「もうここ何年もぜんぜん実をつけない し、全部抜いちゃっていいですよ」と言います。 私はプランニングの上での一つの回答として、この大きなあんずの木 (落葉樹)を家のポイントに据えてプランニングする事を提案しました。 それ以外の木は植え替えも難しいし、抜くしかないね、などと話合って いました。 そして、夏が過ぎ、基本設計も固まった秋にある異変がこの庭におき たのです。 何年も実をつける事のなかったこの庭に植えてある木々が、一斉に 実をたわわにつけたのです。 みかんもゆずも、その他の花も・・・。 唯一あんずの木だけは・・・今年も実をつけていませんでしたが。 この木々は、私達の話を聞いて自分達の行く末をさとり、あわてて実を つけたのでしょうか。それとも不可思議な力が働いて未来を予知し、 子孫を残そうとしているのでしょうか。 残す事が確定しているあんずの木だけが今年もゆうゆうとさぼって いるのを見ると、単に今年の気象が良かっただけとは思えません。 はたして、真実はどうなんでしょう? 私達が思っている以上にこの星には秘密がまだまだあるようです。 |