コンクリートの中性化


(この項は「夏型結露にご用心!」のつづきです)

コンクリート住宅には内断熱がなじむ、と書いてきましたが外断熱にすると
中性化防止に役立つという反論もあります。(中性化に関してはこの項
一番最後を参照。中性化は
室内側からおこります)

いつからコンクリートはそんなに「やわ」なしろものというイメージに
なってしまったのでしょうか。
もし、ダムや高速道路の柱脚が20〜30年でもろくなってしまったどうでしょう。
とても大変なことです。ダムのコンクリートも住宅のコンクリートの基本的な
違いはありません。
貧弱なコンクリート施工があまりにも多く、問題が発生したために「やわ」な
印象をもたれてしまいましたが本来はコンクリートはとても寿命が長いもの
なのです。

コンクリートは圧縮には非常に強いのですが、引張力に弱いです。それを補う
ために鉄筋を入れたのが鉄筋コンクリートです。

鉄筋とコンクリートが一体化した鉄筋コンクリートは形も自由になる
上、強度も寿命も長い理想的な建築材料です。
引張力には鉄筋が対抗して、圧縮力にはコンクリートが対抗します。

鉄筋とコンクリートが非常に相性が良いのは、熱による膨張率がほぼ同じこと
です。(これが違うと熱でのび縮みを繰り返して分離してしまいます)

ところで建築士の問題に「中性化が進むとコンクリートはもろくなる」という
文章は正しいか間違いか、と言う設問が定番であります。

   回答は・・・× !!  

中性化が進むとコンクリートは重く、緻密になっていきます。
中性化自体はコンクリートをもろくはしません。

では、なぜ中性化が問題になるかというとコンクリートは強アルカリ性です。
これが中和されるのが中性化という事なんですが、このアルカリが鉄筋が錆びる
のを防いでいるのです。
鉄筋が錆びると膨張します。増えた体積がコンクリートを押し広げて爆裂させます。
これがコンクリート劣化の原因です。

しかし、ここに問題があります。コンクリートはかなり緻密なものです。垂直面
(壁)にはそうそう水が染み込むものではありません。屋根などの水平面には
防水を施すのでそこも防水が切れないかぎり大丈夫です。

コンクリートに水が染み込む経路はクラック(ひびわれ)が第一の原因です。
さらに、鉄筋の位置からコンクリートの表面までの距離を「かぶり厚」と
いいますが、これが厚ければ水が染み込んでも鉄筋までは達しません。

貧弱なコンクリートは壁が薄く、かぶり厚が薄いのですぐに錆びます。

クラックが入らない施工、かぶり厚がきっちり取れている厚い壁、そういった
ちゃんとしたコンクリートは非常に寿命が長いのです。

追加解説

中性化は強アルカリ性であるコンクリート中の水酸化カルシウムが空気中の
炭酸ガスによって中性の炭酸カルシウムになる現象。
炭酸ガスが主要因な為、
屋外より屋内で進行しやすい。この反応自体は
コンクリートを脆くするものではなく、コンクリートは硬く、緻密になって
いく」ということです。
コンクリートが脆くなるのは中性化すると、鉄筋が錆びやすくなり水分の
侵入があった場合に鉄筋が錆び、体積が膨張するのでコンクリートを爆裂
させる為です。
コンクリートは圧縮には強いですが引張りには弱いです。鉄筋はコンクリート
と一体化して引張りの力を担当します。