設計料が無料って・・・?


時々設計料はサービスです、とか2,30万ですとかそんな勧誘をする建築業者がいます。本当にそれはサービスなんでしょうか。

通常の住宅の場合設計料は(設計事務所の場合)総工費の10パーセントぐらいと言われています。実際のところその時々の事情に合わせて上下することはありますがごく一般的木造住宅で200万から250万円前後ぐらいでしょうか。この中には基本設計料、実施設計料、確認申請料(建築基準法上では施主がすることになっているが実際のところそんな状況にはない)、工事監理料、見積もりの調整や工事業者の選定、インテリア相談まで行うこともあります。(インテリアに関してはインテリアコーディネーターに入ってもらうのも一つの手です。)

つまりは建築家の作業は設計をするだけでなく、家を建てる上での総合的なコンサルタントをも含むということです。昔、社会科に授業で「三権分立」という言葉を習いましたが、これは司法・立法・行政がそれぞれ独立することで公正な社会ができるということでした。

家づくりもこれに似ていて、施主・工事業者・設計のそれぞれが独立した立場でお互いに協力することでより良い家ができます。

よく欠陥住宅がテレビや新聞の話題に乗ることがありますが、最初から騙そうとするような悪徳業者は論外ですが、良心的な施工業者であっても専門的な知識を持つ設計者と協議することがないと、出来が良くないということはしょっちゅうです。ましてや信用できない業者は監督するものがいないと何をするかわかりません。逆に、三人寄れば文殊の知恵とはよくいったもので、三者が独立した立場で良心的に協力するとその結果は大変良いものが期待できるます。

設計料に関しては総工費の何%という決め方ではあまりにも大雑把なので建設省告示という設計料の算出の方式ができています。これは工事費の何パーセントというような算出方法ではなく設計の作業量に応じて報酬を決めるという方式です。例えば設計者が頑張って安く建てられるような設計をして、それで自分の設計料が減ってしまうのでは努力する者がいなくなってしまいます。

建設省告示では設計・監理という行為がどれぐらいの作業量を必要とし、経費が必要かをある程度目安として算出する方法を示しています。住宅に限定すれば告示方式は250万円前後ぐらいになります。 簡単に考えてみると建築家が年収としていくらぐらいもらえば妥当なのか、そこから逆算してその設計者はどれぐらいの時間をその家の設計と監理に費やしていて、どれぐらい経費がかかっているかを考えることです。つまりは払っただけの作業量は要求すべきだし、逆にサービスといっている会社はどれほどの作業量を提供するつもりなのでしょうか。

さて、長々と設計料について述べてきましたが本題に戻りましょう。ひとつの疑問として設計料がサービスだと言っている施行業者は今まで述べたような責任と仕事量を本当に提供できるのでしょうか。ふたつめはどんな家を建てるにしても、必ず建築士が図面を描いているのですからその人の給料か外注費は当然発生するわけです。ではそのお金はどこから出るのでしょう。当然工事費の中に紛れ込ましているのです。

量産してる住宅メーカーの場合は、豪華な住宅展示場、大勢の営業マン、そして莫大な広告料、研究開発費、そして当然のことながら高給(?)をとっている優秀な設計者がいっぱいいるわけですから彼らの給料をどこから捻出してのでしょうか。当然家の価額の中に反映しているに決まっています。

日本のメーカーは優秀ですから住宅メーカーにしても優秀な家はいっぱいあります。しかし車のカタログと家のカタログでは決定的に違うことがあります。車のカタログは注文すればその通りのものが納品されますが、家のカタログについて言えばちょっと違います。

口の悪い人間に言わせると結婚紹介所のパンフレットみたいなもんだなんていいます。その心は、表紙のかわい子ちゃんは絶対紹介されない・・・です。
どんなに部材を工場生産したとしても最終的には敷地や要望に合わせて家を立てなければならないのです。設計や施行の良否によって結果はまるで違ったものになります。メーカー住宅であっても部材を工場生産しているだけで、家そのものは一品生産であることにはかわりないのです。

あいまいな設計内容とあいまいな見積もりの中には不明瞭なお金が隠されていま。これが日本の建設業界の悪い体質の一部なのです。設計料を払って家を建てることは、総額で高くつくことはなくそれでいて質の高い家を建てることができます。

設計図は人間でいえばDNAにあたります。すべてがそれで決定されます。そして監理は成長の過程を見守る親(というのもおこがましいですが例えが思いつかなかったので ^^; )みたいなものです。それでも無料を選びますか・・・?